探偵社の浮気調査とは?調査報告書の活用方法
判例上の不貞行為
「不貞行為」とは、男女間の性交渉であり、性交渉を伴わない男女の密会等は「不貞行為」には該当しない。
また、通常、「不貞行為」が離婚事由となるためには、一回だけではない反復した「不貞行為」が必要とされる。
しかし、現在では一回の不貞行為だけでも不貞と認定されている事案が多数存在する。
性交渉も同様に、性行為が推認できる証拠物があれば性行為そのものを立証する必要が無い場合もある。
ただし、嫡出子が男性の遺伝的実子でないことが鑑定によって明らかになっても、その事実だけをもって女性の「不貞行為」は推認されず、また嫡出否認または親子関係不存在確認の訴えを起こして成立しない限りは親子関係が取り消されることもない(最判平26・7・17)。
浮気調査によって得られる証拠
探偵社の浮気調査では上記で解説した「不貞行為」を証明するだけの証拠を収集し、調査報告書という形で依頼人にお渡しします。
従って、例えばA月のB日とC日、D日の3回、不貞の証拠を確保できたとして、不貞行為の事実が証明できるのはA日・B日・C日の3日間となります。
分かり易く説明すれば、夫(妻)の不倫関係が何年であろうと、浮気調査で証明できるのは調査期間の3日間だけということです。
交際期間がどれだけなのか?
どうやって知り合ったのか?
といった過去のことを証明するのは難しいのです。
依頼人がメールや日記などの状況証拠を持っていれば、調査報告書と併せての不倫期間が証明できる場合もありますが、そうでなければ、「その3日間だけだ。」「知り合ったばかりだ。」と主張されればそこまでとなってしまいます。
ですが、使い方によってはそれがわかる場合があります。
では、どうやってその事実を引き出すかというと
1自白へと導く活用方法
当然ですが調査対象者である貴方のパートナーは浮気調査が行われた期間を知りません。
探偵に尾行されたという事実だけで、普通の相手はうろたえるでしょう。
「えっ!?まさか・・・」
「全然わからなかった」
「いつから?どこまで知ってるの?」
そして、なんとか誤魔化せないかと普通は考えるわけです。
そこで、調査報告書から一度分のラブホテルから出てきた場面などを部分的に抜粋し、相手に見せるのです。
裁判ではその部分だけを証拠提出するのです。
相手が何とか責任から逃れようとする一心で、「その一回だけ」とか「数回だけ」など答えたらしめたもの。
「本当に一回だけなのですね。」
「では、その数回はいつかお答えください」
と相手に念を押しながら迫ります。
その後、「じゃあ、これはどういうことですか!」と次の証拠を出すわけです。
裁判では、「裁判官!被告が嘘をついていることは明白です」「被告の反論は嘘で固められたものであり何1つ信用できません。」といった流れになります。
後はじわじわと真実を引き出すだけ。
「では、その交際はいつから始まりましたか?」「知り合ったきっかけは?」といった具合に。
追い込まれた相手はたいてい本当のことを言います。
100%成功するというものではありませんが、この方法で多くの真実を引き出した実績がありますので、話し合い時にも取り入れられてはいかがでしょうか。
攻撃材料にも防御材料にもなる浮気の証拠
浮気調査の結果によって得られた不法行為(不貞)の証拠は、裁判等での不法行為おける損害賠償請求(浮気の慰謝料請求)の材料となることは、皆さんご存知の通りです。
これを攻撃材料とすると、防御材料ともなるのが浮気の証拠なのです
2望まない離婚を防ぐ活用方法
「有責配偶者からの離婚請求は基本的に認められない」ということを耳にされたことはありませんか?
一定期間の別居や夫婦関係の破綻により離婚が認められる傾向にあるというのは、芸能人の離婚などで聞いたことがあるかもしれませんが、それは裁判では特殊なケースです。
未成熟な子供がいる、責任のない配偶者が精神的・経済的に困窮する等、裁判では有責配偶者(浮気をした側)からの離婚請求に対し、高いハードルを設けておるのが実情なのです。
理由は至極単純、悪くない配偶者が不利な状況に追いやられることが無いようにです。
ですので、相手からの不当な離婚請求に対しては浮気の事実を根拠に「離婚はしたくない」の一言で大半の離婚請求は回避できるのです。
親権争いを優位に運ぶ
いざ、離婚をするとなったら、お金よりも何よりもまず決めなければいけないのが親権。
親権欄を記載しないと離婚届を出せないのが離婚のルールです。
どちらが親権を取るのかで自分もそうですが、子供の人生も大きく変わる重大決定事項であるのは言うまでもありません。
話し合いで決着がつかなければ裁判所の判断に委ねることになります。
3親権争いの過程での活用方法
子供の年齢によっても違うのですが、双方から意見を聞き、時には裁判官が調査官を選任して家庭状況などからどうすれば子供にとって良いのかを決めます。
そこで浮気調査で判明した事実が役に立つことがあります。
「子供を放置して男と遊び呆けていた妻」
「自分が親権者だと無理やり子供から引き離されたが、子供は親に預けっぱなし、不倫相手と半同棲の夫」
そういった証拠が提出されたら、当然裁判所も参考にします。
親権争いが生じる可能性がるのであれば、そのような利用法も頭に入れておいて、調査依頼をされると良いかとご提案いたします。
探偵小話
長年探偵をやっていると、苦し紛れに色々なことを言いだしてしまう対象者がでてきたりするものです。
「妻(夫)が探偵とグルになって証拠を捏造した」
「写っているのは私ではない」
「妻(夫)が先に浮気をしたからあいこだ」
探偵の証言や報告書は証拠採用するとの判例がありますし、自宅から出るところから帰宅までが報告書におさめられているのですから言うだけ恥ずかしいだけ。
相手が先だと言うのなら、その証拠を出さなきゃいけませんよね?それが裁判ですから。
中には
「何度かホテルは行ったけどHはしていません!」
と言い放って、裁判官に叱責されていた対象者もいました。
どれも笑い話のような話ですが、確たる証拠があるから笑い話になるのです。
民事裁判では原告に立証義務があります。
刑事裁判ほど明確なものは求められませんが、単なる憶測や推測の域からでない状況証拠だけで立証していくのは非常に難しいの現実です。
探偵社の調査報告書+依頼者さんが集められた証拠で、より強固な証拠にし、確実に勝てるストレスのない裁判をして下さい。
このストレスというのが実にやっかいであることは、証拠の少ない裁判をした経験がある方ならどれだけ辛いものであるかおわかりになると思います。
逆に、確実な証拠さえあれば相手が何を言おうとも、楽に進められるのが裁判というものなのです。